
隊員
佐藤梢 Kozue Satoh
2018年入社
東東京事業本部 箱崎交通管制部
遠藤直美 Naomi Endo
2021年入社
神奈川事業本部 神奈川交通管制部
高橋恵 Kei Takahashi
2020年入社
東東京事業本部 箱崎交通管制部
人事・教育担当
大竹敏志 Satoshi Ohtake
飯田仁恵 Hitoe Iida
離れていても絆が生まれる、相談しやすい関係性
―まずはそれぞれの仕事内容を教えてください。
遠藤
現在、私は神奈川交通管制部で管制業務に就いています。実際に現場に出るというよりは、故障車発生などイレギュラーな事態の情報を管制室で受理し、巡回業務の隊員などに対して現場に向かうよう指示を出す役割です。消防や警察と連携を取ったり、首都高上の文字情報板に渋滞や天気情報などを表示させたりもしています。
佐藤
私と高橋さんも同じく交通管制部に所属していて、基本的に業務内容は同じですが、担当するエリアが違います。
遠藤
佐藤さんも元々は神奈川交通管制部にいらしたんですよね。エリアが変わって大変だったことはありましたか?
佐藤
エリアによって交通量や道幅、車線などに違いがあるため、まずは感覚を掴むことに注力していました。道路の形状も違うので、現場の隊員に規制の指示を出すときもかなり気をつかっています。
遠藤
佐藤さんと高橋さんは同じ東東京事業本部ですよね。普段一緒に仕事しているんですか?
高橋
私と佐藤さんは班が異なるので、一緒に仕事をすることはないんです。ただ、引継ぎのタイミングで顔を合わせて話すことはよくありますよ。遠藤さんも、佐藤さんとよく連絡を取っていますよね?
遠藤
そうですね。直接会う機会も少ないので、連絡先を教えていただきました。仕事中は同じ班の人にいろんな質問をしているのですが、家に帰ったあとふと疑問に思ったことは佐藤さんに聞くこともあります。佐藤さんは元々神奈川事業本部にいらっしゃいましたし、とても親切に教えてくださるので相談しやすいです(笑)。そういえば以前、首都高パトロールのホームページに佐藤さんの神奈川事業本部時代のインタビューが掲載されていたんですよね。それを読んで、入社時は「神奈川の管制部には女性隊員がいるんだ! 一緒に働けるんだ!」と思っていたんです。そしたら……。
佐藤
もう神奈川にはいなかったと(笑)。 でも、連絡先も交換しているので、悩みやわからないことがあれば連絡をくださいね。3人の中では一番歴も長いですし、私自身、これまで楽しいことだけでなく悩んだこともあったので、相談にのれることもあるんじゃないかなと思います。
隊員の声に積極的に耳を傾けてくれる
―首都高パトロールに入社しようと思った動機を教えてください。
佐藤
元々プライベートでよく首都高を走っていたので、黄色いパトロールカーを見かけることが多く、それが最初のきっかけでした。
高橋
私も同じです。それで首都高パトロールの存在を知って、「人の役に立つ仕事をしたい」と思うようになったのが動機でしたね。
遠藤
私の場合はバイクが好きで、首都高でバイク隊を見たのがきっかけです。将来的にはバイク隊に所属したいですね。
―人事・教育担当の2人は、3人に初めて会ったときどんな印象を抱きましたか?
大竹
佐藤さんが入社してきたとき私はまだ現場で巡回業務をしていましたが 、入社後すぐに始まる新入社員研修のときに初めて会いました。すごくがんばっていて、楽しそうにしているのが印象的でした。
佐藤
実際、楽しかったです(笑)
飯田
私の勝手なイメージですが、首都高パトロールの仕事はたくましくて“ガテン系”の人がやりたい内容なのかなと思っていたので、佐藤さんのような可憐な女性が入社してくれたのはかなり意外でした(笑)。高橋さん、遠藤さんと初めて会ったときも同じように驚きましたね。ただ、元気がよく、活力があるので、仕事を前向きにどんどんやってくれるんじゃないかという期待は当時からありました。遠藤さんがバイク隊を希望していると聞いて、この仕事に飛び込んできてくれる女性、興味をもってくれている女性が実はたくさんいるとわかり、とてもうれしかったです。
大竹
男性が多い職場ということで、3人は入社当初に不安などありましたか?
高橋
不安は特になかったです。男性が多い職場なのはわかっていましたし、しっかりコミュニケーションしながら仕事をするので、不安なことは都度解消できています。管制室の雰囲気は和やかで、チームとして一致団結して業務に臨もうという意識があり、とても働きやすいです。
遠藤
私も不安な点はなかったです。むしろ、入社してみると先輩の男性隊員がとても気をつかってくださったので、「そんなに気をつかってくれなくても……」と思ったくらいでした(笑)。女性隊員が少ないからこそ、所属や班が違っても女性同士の絆は強いかもしれません。
佐藤
私が入社したときは、まだ女性の隊員はいませんでしたね。ほかの先輩や本社の方々には気をつかっていただき、女性隊員を受け入れる体制を整備するために意見をヒアリングしてくださいました。入社当時と比べると、とても働きやすい環境になったように感じます。
大竹
3人が入社してから、今までになかった視点も生まれています。遠藤さんがどこかで話していた制服の件はわかりやすい例ではないでしょうか。
飯田
制服の件?
遠藤
現場の隊員の制服はかっこいいのですが、管制室の制服のデザインをもう少し工夫できるといいなと思いまして……。
大竹
今までの流れだと「別のことにお金をかけよう」となってしまうのですが、隊員のモチベーションアップや対外的な信頼性の向上などを考えると、制服のデザインは軽視できないポイントです。そういう意見が出てくると制服を刷新するプロジェクトも発足しやすくなりますし、女性が働きやすい職場、働いてみたい職場というイメージにもつながるのではないでしょうか。
飯田
そうですね。女性に限らずですが、隊員が意見を出しやすい雰囲気や環境づくりに今後も努めていきたいです。先ほど遠藤さんは「そんなに気をつかってくれなくても……」と言ってくれましたが、3人のことも本当に大事にしたいんです。
大竹
もうお母さんですね(笑)。
飯田
自分の娘のように「大丈夫? 何か困ったことはない?」という気持ちになってしまいます(笑)。
隊員同士、そして本社と現場が支え合っているからこその「働きやすさ」
―首都高パトロールでは、どんなところに働きやすさを感じますか?
佐藤
首都高で働くため、首都圏以外への転勤がないのはメリットと言えるかもしれません。結婚や介護などでライフステージが変わったときに対応しやすいので、長い目で見ても働きやすい環境です。
遠藤
入社して驚いたのが、有給の取りやすさでした。入社前は年功序列で上司に気をつかって有給を取りにくいイメージだったのですが、急な用事が入ってもお休みをいただきやすいです。というのも、首都高パトロールでは24時間365日体制で業務にあたっているため、万が一のことも踏まえて交代できる人員を用意しています。急遽代わりをお願いしたいときに相談しやすいですし、逆に相談されたときは対応しやすいため、みんなで協力し合っていこうという雰囲気が自然とできあがっていますね。
高橋
私も同じ意見です。日勤、日勤、夜勤、非番、休み、とシフトが固定だと、休みが取りやすいですよね 。本社の方も福利厚生をさらに充実させていこうと動いてくださっていますし、各事業本部が本社と近いので、現場の状況が把握しやすいのもあるのかなと思います。転勤がないこと以外にも、本社や本部が首都圏に集中しているメリットは色々あると感じますね。
大竹
遠藤さんは前の会社とのギャップがあったせいか、座学研修のときに夜勤や休みの取り方の説明をしても全然理解してくれなかった (笑)。「日勤、日勤、夜勤、非番、休み」というシフトでも、夜勤の場合は休憩や仮眠時間を含め16時間勤務なので、二日分休みを申請することになります。
遠藤
仮眠時間があることもびっくりでした(笑)。休憩時間って結構ないがしろにされてしまいがちなのに、むしろそれをすごく大切にしているんだなと思いました。
飯田
福利厚生については、もっと充実させていく必要があると思います。子育てや介護などがしやすくなるように、隊員たちの声を私たちが吸い上げて、ニーズに合わせて対応させていかなくてはなりません。
大竹
現在は、少しずつ男性隊員も育休を取ってくれるようになってきました。まだ課題は残っていますが、着々と制度として出来上がってきています。
休日は仕事モードから切り替えて、リラックスして過ごす
―この場を借りて、ほかの方に聞いてみたかったことはありますか?
遠藤
休みが多いので、家にいると私は暇を持て余してしまうのですが、お二人は休日どのように過ごしていますか?
佐藤
暇さえあれば車を運転しています。先月も ガソリン代が5万円になりました(笑)。
遠藤
5万円! どこへ出かけているんですか(笑)?
佐藤
思い付きで目的地を決めますね。例えば前を走る車両のナンバープレートを見て、「そこに行こう」といった感じです。一番ハードだったのは大阪の日帰りドライブでした(笑)。車が好きでいろんな車種に乗りたいと思って、今は大型自動車 の免許を取っている最中です。
遠藤
高橋さんは休みの日、どう過ごしているんですか?
高橋
私は体を動かすことが好きなので、気分転換を兼ねてよくジムに行っています。ランニング1時間とウェイトトレーニングをやっていますね。あとはショッピングや散歩、友人と食事に行くなどして、仕事モードとは完全に切り替えてリラックスしています。
遠藤
すごく活動的ですね!散歩は結構な距離を歩くんですか?
高橋
日によって1時間というときもあれば、丸々1日を使って散策することもあるかなあ。大まかな目的地だけ決めて、あとは好きに歩き回る感じですね。遠藤さんは休日何をしているんですか?
遠藤
インコと遊んでいます。現在家に4羽います。
高橋
あれ、3羽じゃなかったっけ?
遠藤
1羽は最近生まれました。でも、私に全然なついてくれないんです(笑)。 でも、今はその赤ちゃんのお世話をすることに夢中になっていますね。
女性や子どもが憧れる、理想の隊員になってほしい
―最後に、今後どのようなキャリアを歩みたいと考えているか、教えてください。
佐藤
介護や結婚、出産といったタイミングで、どうしてもお休みをいただいてしまう期間が出てくると思います。そうなっても、「戻ってきてほしい」と思ってもらえる存在になりたいです。やはりこの仕事に憧れて入社してきたので、私自身戻ってきたいと強く感じます。
遠藤
女性隊員でバイク隊に所属したことのある人がいないので、前例をつくりたいですね。バイク隊に憧れている女性の方は絶対にいると思いますし、もし「自分もなれるかな……」と不安に感じている方がいるなら、それを払拭したいという想いもあります。あとは先輩たちには本当によくしていただいているので、後輩ができたときに同じように振る舞えたらいいなと思います。
高橋
私は、ゆくゆくは管理職に就きたいと考えています。男性がほとんどの中で女性が働くのは、それなりにパワーが必要です。今はいろんな人に守られていますが、今後は自分が守る立場になって、アドバイスできるようになりたいです。もし首都高パトロールに入社したいと考えている女性の方がいらっしゃるなら、「恐れずに目標をもって挑戦してほしい」と伝えたいですね。今も働きやすい環境を整備するため改革は進んでいますし、周りの隊員たちも仲間を守っていきます。
大竹
3人には、若いうちにいろんな経験を 積んでもらえたらと思います。管制業務以外にも巡回、取締、特殊車両班、バイク隊と多様な業務があり、希望を出せば挑戦できる土壌があります。先ほど高橋さんが管理職に就きたいと言ってくれましたが、個人的にも班長や管理職にほしいですし、何年先でもいいので採用担当としていずれは本社にも来てほしいと思っています。現場を経験してきた女性隊員が採用や教育を担当することで組織に厚みが生まれるので、すごく必要なことだと感じています。
飯田
今は3人とも管制室にいて、お客さまの前に出ることがありません。しかし、今後は巡回業務に就く予定もありますので、そのときは活き活きと働いている姿を見せてほしいなと思います。「あの女性かっこいい!」と感じてもらえれば、入社したいけどためらっていた人も、きっと積極的にエントリーしてくれるのではないでしょうか。
大竹
理想の存在になってほしいですね。
飯田
憧れの女性像になってもらえたらうれしいです。子どもに「お姉さんかっこいい!」と思ってもらえたら、「フフッ」となりますよね(笑)。
佐藤・高橋・遠藤
そうですね。期待に沿えるよう頑張ります!