首都高パトロールでは、現場のさまざまな状況に的確かつ安全に業務が遂行できるよう各種研修・訓練を実施しています。社内指導員による研修・訓練はもちろんのこと、外部研修機関や講師による専門的な研修・訓練も実施。新人からベテランまでそれぞれの隊員が成長できるよう幅広いバックアップ体制を整えています。
研修内容
新入社員研修
プロフェッショナルの基礎を築く「座学研修」
新入社員研修の第一歩は、業務内容や就業規則を詳細に学ぶ「座学研修」です。首都高パトロール隊員としての社会的責任を深く理解し、成長のための第一歩を踏み出す場となります。この研修では、当社が社会に果たす役割や使命を理解し、プロフェッショナルとしての意識を高めることを目的としています。単なる知識の習得にとどまらず、隊員として必要な心構えや姿勢を養い、長期的な成長の基盤を築きます。
高度な技術と即応力を磨く「合同実技研修」および「緊急走行訓練」
合同実技研修:基本技術の習得と実践力の強化
「合同実技研修」では、首都高パトロール隊員として必要な基本技術を、運転訓練と各種対応訓練を通して学びます。
運転訓練では、スラローム走行の技術や車幅感覚を養い、正確な車両操作を習得します。また、車両誘導の基礎を学び、現場での安全な車両誘導技術を身に付けます。
各種対応訓練では、交通規制の方法や発炎筒の適切な使用法についての訓練を行い、現場で安全に業務を遂行するための知識と技術を習得します。また、故障車のけん引の実習を行い、現場対応の基礎を身に付けます。
緊急走行訓練:リアルな現場を再現した実践的訓練
「緊急走行訓練」では、実際の業務に近い環境での訓練が行われます。訓練場にて模擬的に渋滞状況を再現し、その中で緊急走行を行います。サイレンやマイクを使用しながら、お客様にどのように音声が聞こえるのか、現場での体感を通じて学びます。こうしたシミュレーションにより、緊急走行時の冷静な判断力や運転技術を磨き、どんな状況でも安全かつ確実に対応できる能力を養います。
これらの研修を通じて、現場の環境へ柔軟に対応できる高度な技能とチームワークを体得し、プロとしての自覚と信頼感を深めます。
新入社員フォローアップ制度
長期的な成長を支える「新入社員フォローアップ制度」
新入社員は配属後も、1年間にわたるフォローアップ研修によって、定期的なサポートを受けることができます。まず、配属から1か月後にフォローアップ研修が実施され、業務の進捗状況を確認するとともに、同期との意見交換や問題解決のためのアドバイスが行われます。特に、同期同士での交流を通じて、お互いに励まし合いながら成長を促進します。また、6か月後にはさらなる成長の機会として追加のフォローアップ研修が実施され、最終的に1年後の研修では、1年間の努力と成長を振り返る場が設けられます。この研修は、今後のキャリアに向けた新たなスタートを切るための重要な節目となります。
キャリアアップ支援プログラム
階層別研修制度
当社では役職が上がるにつれて、職位ごとに求められる必要な知識やスキルを統一的に習得することを目的とし、階層別研修を導入しています。キャリアアップに合わせて最適な教育・研修を行い、社員個人のスキルアップやモチベーションアップにつなげ、社員の人材育成を図っています。
各部門で実施する訓練内容
巡回業務
道路啓開訓練
大地震等大規模災害時は、本線上に自走できない車両が滞留することが予想されます。車両の滞留は復旧作業の妨げになるほか、災害物資等の輸送にも影響しますので移動させる必要があります。巡回業務ではこのような自走できない車両を移動用ジャッキを用いて移動させ車線を確保するための訓練を行っています。
トーイングトラクター訓練
「トーイングトラクター」とは、空港で荷物を牽引する小型車両のことで、一般的な乗用車と比べるとコンパクトで、抜群の小回り性能が特徴。小回り性能とパワフルさも兼ねた優れものです。道路啓開の際の出動を想定し、普段から操縦・牽引技術を身に着けるための訓練を行っています。
バイク隊
バイク隊の自主訓練
バイク隊の業務において、運転の技量と現場到着の確実性は密接につながっています。技量が高いほど迅速かつ安全に現場へ急行できるのはもちろん、自身の事故防止にもなるため、安全運転技術の習得・向上は欠かせません。訓練内容としては「制動訓練」や「低速走行訓練」、「バランス訓練」などの基礎から、スラロームを設置した総合訓練などがあります。各班の班長が中心となって、隊員は不足している技術を重点的に訓練します。
バイク隊の専門過程訓練
バイク隊では年一回、専門施設を利用しての研修を実施しています。自主訓練だけでは得られない技術の習得を目指し、インストラクターによる本格的な指導によるスキルアップ・フォローアップを目的に、「走る」「曲がる」「止まる」といった基礎から、「低速バランス」「パイロンスラローム」「コーススラローム」などバイク隊員の運転技術保持・安全運転技術向上のための総合的な訓練を行っています。
特殊車両業務
特殊車両班の自主訓練
特殊車両班は、「多機能レッカー車」や「エアマットジャッキ車」「ホイールローダー」など多種多様な車両を有事の際に的確に運転・操作できなければなりません。特殊車両班では、それら特殊車両を実際に使って、あらゆる事態を想定して日々研鑽を積んでいます。
レッカー・運搬車等習熟訓練
現場で安全かつ迅速に本線の流れを確保できるよう、多機能レッカー車や運搬車の操作訓練を日常的に実施。具体的には、横転・転覆した車両の引き起こしや吊り上げの訓練などに励んでいます。
エアマットジャッキ習熟訓練
トンネル内など高さに制限がある場所では、多機能レッカー車のアームを十分に伸ばすことができません。そういった状況下でも迅速・安全に車両の引き起こしができるよう、エアマットジャッキを使用した訓練を行っています。
専門研修で安全とメンタルの両面からのアプローチ
安全運転研修
茨城県ひたちなか市にある「自動車安全運転センター 安全運転中央研修所」を使用して、安全運転の基礎と応用を学びます。安全運転中央研修所には高速周回路コースや多目的エリアなどがあり、「ハイドロプレーニング現象」や「横滑り」などあらゆる運転上の危険を“安全に”体験。ほかにも高速道路における車線変更や追い越しなどを訓練します。安全運転中央研修所の高い技能をもった一流の講師の方から教われる点も大きな魅力です。
感情コントロール研修
運転技能に関する研修に限らず、運転におけるメンタルコントロールに関する「感情コントロール研修」も実施しています。この研修では外部の専門講師をお招きして、運転する際の自分自身の特性(どのような交通状況が自分にどういった感情を抱かせるのかなど)を把握します。そして、ストレス反応に起因する事故を防止するための感情コントロール術を習得。安全運転への意識づけをしていきます。